デカイ声で独り言のおっさん
※mixiからの転載です。
デカイ声で独り言のおっさん
2009年05月27日01:58
彼氏との(自分はバイです。)カラオケ帰りの電車は、
サラリーマンでいっぱいだった。
空いた席ないかな? と探すと、空きスペースが一つ、優先座席にあったのだが…
時刻表に黙々と何かを書きこむおばさんと、大声でぶつぶつ独り言を言うおっさんが座っていて、ギョッ!とした。
「さっき買ったばかりなのに!なめとんか…(怒)」
…おっさんは、独り言というより、一人で喧嘩してるみたいだ。
ビール飲みながら時計を合わせようとして、イラついてる。
「このおっさん、なんか変だ。」
と思う自分を静観していると、
「兄ちゃん!時計合わせてくれ!!」
と話しかけられた。おっさんの前に立ってたのが俺だったからだ。
「時計の合わせ方分からないけど、ケータイだと23:09だから
5分ずれてるだけですよ。この空きに座っていいですか?」
「おーそうかそうか!ありがとう兄ちゃん!座り座り!!」
と、立ち上がって言った。
俺は隣に座った。
おばさんは無言でほほ笑んだ。
優先座席の二人は夫婦じゃなかった。
おっさんは歯医者の帰りだそうだ。九州出身で、アベが好きらしい。
「アベ」って?と聞くと巨人の「アベ」だそうだ。
「『今日は暑い』というのを九州では『ぬくか』と言うんじゃ。」
と、おっさんは話してたのだが、すぐには意味が分からなかった。
おっさんは歯が殆ど抜けており、話が聞き取りづらいので、
自分がおっさんをどう見てるかのほうを観察していった。
「ワシは若いころはフーテンで、弟に勘当されて、両親は養老院に入って、家族はバラバラ。家には誰もおらん。カラばい…」
「仕事して(親を)引き取ろうと思っても…」
自分の頭を指すので、
「どうかしたんですか?」と聞くと
「わしゃ刑務所におったんじゃ。だから雇われなくて。」
と、俺の耳元で囁いた。
それから隣の路線の乗客を見て、
「お前ら何ヒトのこと見とるんじゃ!なめとんか…!!」
と、怒っていた。
電車が次の駅(横川)に着いて降りるおっさんに言った。
「誰もあなたのこと馬鹿にしてないですよ。声がデカイからギョッとするだけ。」
「そうか!これは地声なんじゃ。ごめんのう!ははは!」
と、大声で笑った。
「ありがとう!ありがとう!忘れんばい!!」
ホームへ降りて見えなくなってからも、おっさんは、
ありがとう!ありがとう!と、デカイ声で言い続けた。
おっさんの、苦しい思い込みが解けたらいいな。
自分の頭の中でブツブツ話しているのは、座席でケータイ打つ人も
同じだと思った。声の大きい人は目立つけど。
↓この日記へのコメント
※名前以外原文ママ
コメント
Oさん 2009年05月27日 21:52
声に出すか出さないかで大違いですね。
しかし、独り言、しかもキレながらの人を良く見る気がします。
コメント
Mさん 2009年05月28日 05:31
よく話せましたね
意外と話し込めば会話が成り立つもんなんですね。
ってか彼氏がいるんですね
コメント
ブログ主 2009年05月28日 12:38
おっさんの世界観を、おっさんが話し出したから、
そのまんま聞いてただけだよ。特に何もしていない(笑)